プレッシャー

「責任」

あの時すごい体験をしました。


この試合に負けたらしばらくサッカーから離れなくてはいけない。
引退。
がむしゃらに走った。チーム全員で。
でも相手も思うことは同じ。。。

PK戦。



サッカーでもっとも注目を集める瞬間。


それは
PK。

まさに自分との戦いです。
レベルの高い試合になればなるほどプレッシャーは大きくなります。
貴公子とよばれるディビット・ベッカムがあの大会のあの時PKをはずしたのも記憶に新しいですね。
おそらくものすごい戦いが彼の中にあったはずです。

何万もの観客。
何百ものカメラのフラッシュ。
サッカーの伝道イングランドのキャプテン。
今までの努力。
仲間の力。

疲労。。。

PKは迷ったら負けです。
疲労困憊の体にムチ打って渾身の一蹴りをしなければならないときに
迷っていたらどんな選手だって思ったコースにボールを蹴ることはできません。



試合終了のホイッスルと同時に
緊張感はさらに高まった。
PK戦。

足が痛い。
苦しい。
立てない。

・・・でも勝ちたい。

監督のところへ指示を仰ぎに行く。

そういえばいつもガンガンに怒られてた。
試合中は怒鳴られっぱなしで
事あるごとに叱られて
お前なんか絶対出さないからな。
そういいつつも自分を使ってくれた監督。
そして一言

「2番は健。」

絶対決めてやる。
そう思った瞬間だった。

不思議とプレッシャーはなかった。
疲れのせいで感じなかったのかもしれない。

自分の番がきたときも飛び跳ねながらゴールにむかった。
サッカーができる嬉しさをモロに感じた瞬間。
そして右隅のネットが揺れる。
イメージ通りのゴールだった。

次の試合に疲労を残さないようにしなくちゃ。

そんなことを考えていたらいつの間にか
目の前で相手が抱き合って喜んでいた。。。。。
チームメイトが泣き崩れている。。。。

でも自分にはもう涙になるほどの水分が体になかったせいか
涙はでてこなかった。
誰も一言もしゃべらない。
だれか言わないのかな?

「つぎの試合は何時集合ですか」って。。。。。


サッカーはチーム戦である。
よく言われることだが
ミスのないサッカーなどありえない。
お互いに助け合って
チーム全員がそれぞれの仕事をこなす。
それがサッカー。

たとえPKをはずしたとしても
そこまでにいたる過程にそいつが
どれだけ努力をしてきたか
どれだけチームに貢献してきたかを考えると
だれもそいつを責めることはできない。

プレッシャーってのは「重い」ものだけじゃなくて「想い」ものでもあるのかもしれないですね。